【2020年】『MOTHER マザー』感想、ネタバレあり。

『MOTHER マザー』映画のあらすじと概要

 

様々な男たちと関係を持ち、その場しのぎで毎日を生きてきたシングルマザーの秋子(演:長澤まさみ)とその母を愛するがために生活を共にする息子の周平(演:奥平大兼)その母親は実の息子に対して常に従順であることを求める。歪んだ愛しか知らない息子は母親の言いなりになりながらいくつかの罪を重ねていく。義務教育さえもまともに受けていない周平の世界は小さく、やがてその親子は社会からも排除されていく。
そんな社会からはみ出した母と息子は彷徨うように生きていくが、母親の秋子は全く働こうとはしない。日々の食事にも事欠き、命からがらの周平はそれでも母親についていく。

これは2014年に実際に起きた実話をモチーフに製作されている。

監督/大森立嗣  脚本/大森立嗣、港岳彦  撮影/辻智彦  制作総指揮/河村光庸  音楽/岩代太郎  編集/早野亮

映画のネタバレと感想

出典

オススメ度 ★★★☆☆

母と息子の共依存が生み出す、社会の底辺でうごめく歪んだ親子の愛情をじっくりとねっとりと鬼才大森立嗣が描いている。

筆者は長澤まさみが男にだらしない母親を演じる、という前情報しかもたずにこの映画を観賞しました。大森立嗣が撮るならば、濡れ場などもどのくらいの露出で撮るのだろうかと期待して臨んだのです。

男にも子供にも依存し堕ちていくどうしようもない母親。だらしのない女を長澤まさみがどう演じるか、非常に興味を持ったのも事実であり、久しぶりに骨太な社会派作品が観賞できると期待を込めて劇場に足を運びました。そして実際はどのような感情を覚えたか。

観客の好みにもよるでしょうが、私はとても不快感を覚えました。なのでオススメ度も★3つと言う結果です。

『コンフィデンスマンJP』でダー子を演じる長澤まさみが達者すぎるだけにこの映画の演出は失敗していると思います。
大森立嗣監督のシリアス映画は『さよなら渓谷』や『ゲルマニウムの夜』にも見られるように異空間に連れて行ってもらう楽しみや苦しみの共有がありますが、このMOTHERに限っては不快感しか残らない。原作に忠実にあったとしても(原作本は読んでいません)重い気持ちで劇場を後にしました。

 

MOTER マザーの良い点と悪い点

なんと言っても観終わった後に忘れられないほど清々しい奥平大兼の美しい横顔と澄んだ眼差し。

 

奥平大兼はこの映画が演技初体験という記事を読みましたが、自然体な演技てそても清々しい。
かつての柳楽優弥と菅田将暉を足して2で割ったような魅力がある。実際の年齢も撮影時は14,5歳だったのでしょうか。
表情の移り変わりが観客を釘付けにします。演出上、最初はロン毛なのですが物語の最後の方は坊主頭になっています。そのときの横顔の美しさと演技は息を飲むものがあります。長澤まさみを含むベテラン俳優勢の中で、ひときわ輝いていました。今後の彼の出演映像はチェックしておかなければなりませんね。

 

MOTHER マザーの演出と脚本

監督は大森立嗣、脚本は大森立嗣と港岳彦。

これと言った名台詞などはありません。それぞれ二人の脚本家は代表作が多々あるにもかかわらず、この映画に関しては心に残るセリフや教訓などはありません。作品的にも心が動く名言は入れにくいのかもしれませんね。

演出に関しては、鑑賞時、実話がモチーフとなる作品であるとは知らなかったので、後で知ったときに「なるほど〜」とは思いましたがこの映画の冒頭、秋子が小学生当時の周平の膝のすり傷をベロっとなめた時に秋子の最低限の母性本能を感じました。

あとは上述したように周平役の奥平大兼が終始良かったです。大森立嗣監督は若い俳優の演出には長けていると思いますが女優陣の演出を上手いと思ったことはありません。女優が魅力的だったのは『さよなら渓谷』の真木よう子くらいでしょうか。

キャストついて

なぜ長澤まさみの相手役が阿部サダヲだったのでしょうか。

別に阿部サダヲが悪いというわけじゃなくて、元ホストであり秋子が入れ込んでしまう相手役に阿部サダヲっていうのがどこか納得いかないし、キャスティングミスな気がします。だから秋子に共鳴できないのでしょう。もしかしたらそこが狙いだったのでしょうか。

皆川猿時などはとてもしっくりくる役どころであり秋子に翻弄されるのも納得します。しかし最近、どの映画も大人計画使いすぎ。見飽きた感ありありです。
長澤まさみはやはり美しきコメディエンヌでいて欲しい。

 

MOTHER マザー、観賞まとめ

  • 奥平大兼が素晴らしい。ラストの清々しく潔い演技が高評価である。
  • 大森立嗣監督のシリアス映画の中では低評価である。『さよなら渓谷』は越えていない。
  • 長澤まさみの演出に失敗している。
  • 私の一番好きなシーンは冒頭の母が息子のすり傷をなめるシーンです。
  • 脚本に特筆するべき点はない。
  • 撮影はとても美しい。
  • 長澤まさみの相手役がなぜ阿部サダヲなのが納得できない。
  • いずれにしても救いのない映画です。救いのない映画がお好きな方にはたまらなく素晴らしい作品だと思います。


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