【2020年】『劇場』感想、ネタバレあり。又吉直樹原作の映画化第二弾!

『劇場』あらすじと概要

2015年、芥川賞を受賞した又吉直樹の小説の第二弾を原作を映画実写化したものである。

高校時代の友人と一緒に演劇に興味を持った永田(演:山﨑賢人)は、友達、野原(演:寛一郎)とともに上京し、劇作家を目指して劇団「おろか」を旗揚げするも、作品は今一つ観客に届かず不評を買い、悩む日が続く。そんなある日、渋谷でウインドーショッピングをいていた沙希(演:松岡茉優)と出会い、ナンパから恋が始まる。
演劇の心得があった沙希をキャティングして公演した後、劇団「おろか」の評判は上々なるも、その後の作品が続かない。

この映画は永田の目線と永田のひとり語りでストーリーは進んでいく。

やがて永田は沙希のアパートに転がり込む形で二人の生活が始まるが、永田はいつも悩んでいて働こうとはしない。
その件について沙希は永田を咎める事なく学校もアルバイトも続けていたが、生活はだんだんと苦しくなり、「光熱費」だけでも払って欲しい、と永田に持ちかけるも、永田は常に演劇のことだけ考えていて払おうとはしない。というより、働いていないので払う金がない。
劇中、「沙希は徹底的に僕に甘かった。」という永田のひとり語りがありますが、実際には永田も認める沙希のヒモ生活であった。

最終的に、永田が友人の紹介からアルバイトを始め、沙希のアパートから出ていく事になり、沙希はだんだん壊れていき、実家に帰る。
もがき苦しむ永田はそれを沙希に伝える事なくまた劇作家の道を歩いていく。

最後に永田は、沙希との物語を舞台化して、満員の観客の中で演じる。
満員の観客の中には青森から観に来ていた沙希がいた。

監督/行定勲 脚本/蓬莱龍太 撮影/槇憲治 編集/今井剛 音楽/曾我部恵一
 

映画のネタバレと感想

出典

 

昭和の映画、『赤ちょうちん』や『神田川』の世界観を令和風にしたような救いのない虚しさを感じました。ヒモ男を責める事なく生活のことは全て自分でなんとかしようという沙希の健気さに心打たれた方も多いでしょう。
私もそのひとりです、一方、自分勝手に生きている永田も責める気には慣れない。
なぜなら彼も葛藤と共に生きているからです。二人の生活で二人が楽しそうに笑っているシーンでは、観ているこちら側も「ホッ」とします。

最後には別れる二人である、というのは読めていますが別れてない間は心の均衡を保っていて欲しい、と願ってしまいます。出来れば、ラストシーン『劇場』の芝居をみて嗚咽していた沙希も永田もこの映画が終わったら幸せになってくれるだろう、そんな予感を期待させるラストでした。
いや、そうなってくれないと困ります。

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この映画の口コミと私のオススメ度

★★★⭐︎⭐︎ ★3.5です。

世間のレビューは★3.7となっておりましたが。傑作ではないけど秀作と言えるでしょうね。
若かった頃の自分の恋愛時代を垣間見たり、こんな生活はしたくないとか感想は皆様別れるところでしょう。
ただ、最初にウインドーショッピングをしていて永田に声をかけられるまでの松岡茉優がとてもブサイクに見えました。一つの演出なのかもしれませんが、それからだんだんと永田に惹かれていく松岡茉優がとても可愛くなっていて、けなげで愛おしくなってきます。
ゆっくりと松岡茉優を観察しておりましたが、この人はすごい女優さんですね。『ちはやふる』などはあまり魅力を感じませんでしたが、『劇場』はすごい。見る価値ありです。

 

演出や脚本について

行定勲監督は、若い俳優の演出がとてもお上手だと思います。今まで観てきた行定作品は、若い俳優さんがいつも生き生きと輝いています。男優、女優関係なくお上手です。とても魅力的に見えます。

『北の零年』や『つやのよる』などはがっかり感満載でしたが、『GO』や『ピンクとグレー』、『クローズドノート』他にもありますね。
今回の山﨑賢人の横顔の美しいこと美しいこと!苦悩する山﨑賢人にイライラした方もいるでしょうが、何をやっても美しいのです。
ひとり語りで自分の情けなさを延々と語っていく山﨑賢人に見惚れて誰も彼を責めないと思います。ちょっと影の薄い俳優だと思っていましたが、うまい!こんなに上手かったのですね。

こんな男じゃないとヒモにしてはいけません。こんないい男だからこそヒモになれるのです、まさにヒモの定義がよくわかりました。



『劇場』感想まとめ

  • 2015年、芥川賞を受賞した又吉直樹の小説の第二弾の原作を映画実写化したものである。
  • 主なキャストは山崎賢人、松岡茉優。
  • 演劇を愛し演劇で身を立てようとするが貧乏な男と、田舎娘のラブストーリーであるが、中年以降の観客にも十分受け入れられる作品です。
  • 行定勲監督は相変わらず、若い俳優の演出がうまい。
  • この映画の舞台はのほとんどは下北沢で撮影されているが、作品とロケハンが成功している。
  • 美しき山崎賢人の苦悩と若手女優ではNo. 1と言われる松岡茉優の演技が素晴らしい。
  • いくら又吉直樹の原作といえども芥川賞受賞の『火花』よりは『劇場』の方が素晴らしい。(個人的意見です)
  • 似通ったストーリーでもないのですが、1969年に公開された浦山桐郎作品『私が棄てた女』も少し思い出しました。

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