【1990年】『冬冬(トントン)の夏休み』感想、ネタバレあり。哀愁を感じる映画を観よう。きっと優しくなれる。

『冬冬の夏休み』あらすじと概要。

1990年に日本で公開された台湾映画です。この頃の台湾映画は台湾ニューウエーブの一つと言われ、現在でも台湾映画特集として上映されることがあり、日本でも評判を呼んでいます。

またDVD化されている作品も少なく、この『冬冬の夏休み』は最近、動画配信サービスの中に入ってきていて私はびっくりしました。

1990年前後の台湾映画は傑作揃いです。 トントンは母親が病気で入院しているため、夏休みを母方の祖父母の家で過ごす事になりました。

妹のティンティンも一緒に台北から汽車に乗って苗栗という母方の実家に行きます。
小学校を卒業したばかりのトントンが過ごした苗栗での夏休みの出来事を描いていて、苗栗で出会った地元の友達や、少し変わった大人たちの人間模様に影響を受けた成長物語です。 思春期の入り口に立っていたトントンの孤独感や台湾、苗栗の田園風景がとてもノスタルジックに出来ていて、美しい少年の心の機微が見え隠れしています。
地味な物語なのですが何故か感情移入してしまう不思議な作品です。
脚本の朱天文が実際に体験したことを映画化しており、日本で上映された1990年より以前の台湾(1970年頃)の田舎が舞台となっています。
監督/侯孝賢 脚本/侯孝賢:朱天文 編集/廖慶松 音楽/エドワード・ヤン:杜篤之 撮影/陳坤厚

映画のネタバレと感想

この映画は、主人公であるトントンの目線で描かれています。
思春期を迎えるトントンが大人の世界の複雑さや猥雑さを純粋な目で見つめ、妹のティンティンも地元の友達の仲間に入れてもらえない事から、当て付けのように悪さをしていまうのですが、誰でも子供の頃、新参者の友達を受け入れる事ができなかったり、逆の立場だとすぐには受け入れて貰えなかったり、経験のありそうな話を練り込んでいます。



自分自身が、トントンになって侯孝賢の世界に入り込んでしまいます。

祖父母の家の付近に奇妙な女が時々現れ、最終的には妊娠していたり、叔父夫婦の恋愛時間を、目の当たりにしてしまったり、大人の世界の卑猥な事実も受け入れなければなりません。昔、 誰にでもやってきた子供の頃の夏休み。田舎への帰省。そんな当たり前の話なのですが、この映画を見ると、忘れていた何かを思い出してしまい、こみ上げてくるものがあります。


ゆっくりと時間が流れているような空間で、子供達は忙しく遊ぶ。それを見ているだけで飽きない絵作りは素晴らしいというしかありません。何が素晴らしいのでしょうか?映像、脚本、音楽…。 どれをとっても非の打ち所がありません。何度みても飽きない作品です。

出典

この映画の口コミ評価とオススメ度

オススメ度 ★★★★⭐︎ その他のレビュー記事を見てみたらレビューは3.9でした。 私のオススメ度も★4つなので世間様の評価と同じくらいですね。

こんな方にオススメです。少し不安な日々が続いていて、少し体の疲労を感じる方へ。お時間が取れた時に鑑賞するのが良いと思います。ハリウッド映画のような派手さはありませんが、地味でも中身の濃い映画です。鑑賞しているうちに。自然と自分の子供の頃と照らし合わせてしまい、原因のわからない涙がこみ上げてきます。

演出や脚本について

なんと言っても画(絵)が素晴らしいです。

何気ない台湾の田舎の風景なのに、釘付けになってしまします。 トントンの祖父母の家や、田園を走り抜ける汽車。侯孝賢監督の撮影はよく似てるタイプのカメラマンが多いのですが、この映画の映像も吸い込まれそうでした。 台北を発車する汽車のスピード感、仲間に入れてもらえないティンティンの悔しい顔。 階段を降りた不便そうな叔父夫婦の家。行ってみたくなりそうですね。途中で出でくる寒子(奇妙な女)の演出などずば抜けてます。月並みな言葉ですが、素晴らしいとしか言えませんね。

 

1990年『冬冬(トントン)の夏休み』感想まとめ

侯孝賢監督作品である。(私は大ファンなのです)
  • 思春期目前の少年の目線で絵ががれているから感情移入がしやすい。
  • 映像も素晴らしく観客を釘付けにしてしまう。
  • ハリウッド映画の派手さを求める方には向かないと思える。
  • エドワード・ヤンが父親役て出演している。
  • 最後はハッピーエンドである。
  • 母の実家で過ごす夏休みのお話です。
  • 台湾は学期の始まりが9月なので一学年の最後に夏休みがある。
  • 何度観ても飽きない作品です。
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侯孝賢監督 作品

半分以上は鑑賞しておりますが、未見作品もあります。
DVDや配信に入っている作品が少ないので一年に一回だけある台湾映画上映特集に足を運んでおります。


 

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